建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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造作でつくる

今年の冬、とくに2月は本当に異常気象でしたね。4月のよう
な暖かさだったり寒気が襲ってきたり。新聞に夏日の次に冬日
と書いてました。それでも明後日から3月、もう春でしょう。

インスタグラムをはじめてから、週2回の投稿を続けています。
ブログと違って、テーマごとに写真と短い文章で投稿できるので
相性が良いようです。

スケルトン階段、造作キッチン、バスルーム、木製建具と投稿
しましたが、共通するのは既製品を使うのではなく、大工さん、
建具屋さん、家具屋さんの手によって形になっていることです。

既製品は確かに便利に綺麗に造られています。それと同じ機能
のものを造ろうとすると、造作の方が高価になります。
それでも場合によっては造作にするのは、全体の調和や雰囲気
を大切にしようとするからです。また機能が少し落ちたとして
も、造作の方がはるかに安価に、もしくはDIYでできることも
あるからです。

造作でつくる_c0097137_15121902.jpg





















この写真のキッチンは天板にシンクを落とし込み、蛇口をつけた
シンプルなもの。食洗器と蛇口への給水はプロにお願いしました。

なんとこの「上山市K邸」のご主人は、内装のボード貼り、壁と
床の板貼り、外壁と室内の塗装を友人と二人でDIYでやりとげま
した。素人ですが、たいしたものでした。






# by cosyoken | 2024-02-28 11:00 | 建築
インスタグラムを始めました。よろしければご覧ください。
投稿するにあたって、これまで設計させていただいた住宅に
説明文を書く作業がありました。

そうした作業をしてあらためて思うのは、多種多様なデザイン
をしてきたことです。モダンから山小屋風、クールでスタイリ
ッシュから素朴で優しい雰囲気まで。これは依頼される方のご
要望に応え、さらにそれを超えたいという思いの結果です。

インスタグラムを始めました_c0097137_11272056.jpg

















どのデザインの方向性であっても、実現したものが一定のレベル
を超えていれば、いいと思うのです。そしてそれが年月を経ても
色あせないデザインであれば、いいと思うのです。

話は違いますが、一昨日に市民会館小ホールで開催されたロック
コンサートに行ってきました。お目当ては造園でお世話になって
いる「武田園芸」の社長がリーダーのバンド 「SURRENDER」
です。最高だったのは井上陽水の曲「傘がない」でした。この曲
のもつ完成度には驚きです。52年も前の曲なのに、まったく古
さを感じることがなく、まさしく時代を超えているのです。
(社長のボーカルとギターも最高!)

私にはそれほどの才能はありませんが、私が設計をさせいた
いた建物が、年月を経ても輝いていてほしいと願うのです。


# by cosyoken | 2024-01-16 10:30 | つれづれに

仕事始め

新年明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。今日が仕事始めです。

正月休みの間に映画「PERFECT DAYS」を見てきました。この
映画は著名建築家の設計による公共トイレが背景で、そのトイレ
を清掃する平山(役所広司)が主人公です。
建築家の思いが詰まった建物も、いつも磨いてくれる人々がいて
こそ清潔でいられます。

その平山のなにげない日常が淡々と描かれています。朝起きると
小さな鉢植えに水をやり、仕事の休憩には木漏れ日を写真に撮り、
仕事帰りに居酒屋で一人静かに酒を呑み、簡素な部屋で本を読み
眠る毎日。穏やかな日々のなかにある、人生の豊かさでしょうか。

ラストシーンは、平山が運転しながら微笑みそして涙するのです。
この涙は、彼自身と彼の周りにいる平凡な日常を送る人たちへの
愛しさではないかと思うのです。感銘を受けたシーンでした。

仕事始め_c0097137_12521167.png

# by cosyoken | 2024-01-06 13:00 | つれづれに

仕事納め

今日が今年の仕事納めです。今年はチャレンジの年でした。ひとつは
「やまがた省エネ健康住宅」です。IN邸で申請したのですが、住宅
性能評価とも重なって、書類作成、図面審査、現場検査が続きました。
(やまがた省エネ健康住宅の設計の登録事業者として登録されました)

もうひとつが初めての空調技術です。小屋裏のエアコンからダクトで
各室へ冷気を送り、暖まった空気を小屋裏に戻す循環システムです。

それらのご褒美のように、INさんからうれしいお便りが届きました。
HPの「お客様の声」に掲載させていただきました。

個人的には平凡な年でしたが、ウクライナやガザの悲惨な破壊の状況
を見るたび、戦争を憎むと同時に平凡な日々が愛おしく思われます。
ただ今の日本が「新しい戦前」の気配なのが心配です。

今年も多くの人にお世話になりました。ありがとうございました。
またこのブログをご覧いただき、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
それでは、よいお年をお迎えください。

# by cosyoken | 2023-12-30 09:11 | つれづれに

山形市 IN邸 完成写真

明日は冬至です。一年で最も昼が短い日、この日を境に陽が長くなるので、
冬至には太陽の復活を祝う祭りが世界各地であるようです。

IN邸のお引渡しの日に、完成写真を撮らせていただきました。雲一つない
青空をバックに白壁のIN邸が輝いていました。

山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13303607.jpg


山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13304585.jpg


山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13305016.jpg

土間のあるリビングです。薪ストーブが置かれ、小上がりのフローリング
に腰をかけて炎を眺めるのは最高ですね。

山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13305465.jpg

正面の棚の後ろがキッチンです。その左にドアが並んでいますが、手前と
次のドアから、家族共有のファミリークローゼットに入ります。その右の
ドアは食品庫、奥のドアを開けると洗面所があり、左に浴室、右が南に面
して窓がある3帖のランドリーと物干しです。家事動線がスムーズです。

山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13305880.jpg

正面の背の低い引き違い戸は、子供のオモチャ置場です。子供さんがここ
から出入りして遊んでいました。

山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13310222.jpg

2階の廊下です。2階の床は無垢のフローリングで、仕上げの蜜蝋ワックス
は施主施工です。天井の木目のシーリングファンは施主支給です。

山形市 IN邸 完成写真_c0097137_13311105.jpg

主寝室です。左が廊下のドア、正面のがクローゼットです。廊下のドアに
合わせて右の壁はアクセントカラーにされました。

山形市 IN邸 完成写真_c0097137_03004444.jpg

フリースペースで将来は区切られて子供室になります。黒い筒状のものは
ストーブの煙突です。やけどをするほどではなくほんのり暖かいそうです。


# by cosyoken | 2023-12-21 08:45 | 山形市 IN邸