建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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旧済生館本館

青空がどこまでも高く、いわし雲がたなびき、トンボが空を飛んで
います。もうすっかり秋の気配です。
今朝の天気にさそわれて、事務所までの自転車通勤の道のりを
ちょっと寄り道して、霞城公園の中を走ってきました。

旧済生館本館_c0097137_13511545.jpg













これは公園内に移築された旧済生館本館です。重要文化財に
指定された明治初期の擬洋風建築の傑作です。山形の宮大工
たちがつくったもので、中庭と回廊があり三層四階高さが24m
もあります。今は山形市郷土館として無料で公開されています。

1878年建設で133年を経ても、当時の宮大工の心意気が伝
わります。洋風に似せてはいますが、遊び心でしょうか、和風の
デザインを随所に見ることができます。

どんなものでもそうですが、情熱が込められたものは時代を超
えて見る者に伝わります。ぎゃくにぞんざいにつくられたものは、
すぐに使い捨てられます。

この建物が病院という使命を果たしても、移築され、さらに再生
されて生きつづけている事に、見事というしかありません。
by cosyoken | 2011-09-27 14:55 | 建築