建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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タカダワタル的

木枯らしが吹き枯葉が舞い落ちていきます。7日は立冬でしたから季節は
晩秋から冬へと駆け足で向かっているのですね。

7日の夜だけ上映された「タカダワタル的ゼロ」という映画を観てきました。
3年前に56歳で亡くなった高田渡というフォークシンガーを撮ったドキュ
メンタリー映画です。吉祥寺の焼き鳥屋「いせや」でほろ酔い気分で語り、
ライブで仲間にかこまれ楽しそうに歌っている姿が映されていました。

高田渡は40年前から詩人の詩にカントリー風の曲をつけて歌っていました。
代表作は山之内獏の詩に曲をつけた「生活の柄」です。放浪生活の自由さと
哀愁を感じさせる詩を飄々として歌う彼の歌声は、どこまでも優しく心にしみ
るものでした。彼自身も根強いファンに支持されていましたが、ヒット曲がある
わけではなく、ライブハウスでの活動と焼き鳥屋に通う日々。それでも彼は
いつも笑顔をたやさず人生を楽しんでいるように見えました。

ふと思うのは先ほど詐欺罪で逮捕された小室哲哉のことです。100臆円を
稼ぎ出し、家賃月200万円のマンションに暮らし、結局お金に困り詐欺を
はたらいてしまった。

人間の欲望はきりがなく、追いかけていけば遠のいてしまい不満だけが残る。
満足できない不幸よりも、なにげない日常にある幸福をみつけた方が、心
安らかに生活できる。こんなことを高田渡は教えてくれたように思うのです。
by cosyoken | 2008-11-10 14:30 | つれづれに