建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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中庭のある集合住宅

春めいてきましたね。淡雪とでもいうのでしょうか、一昨日の雪も
あらかた溶けてしまいました。木々の蕾も少し大きくなったような
気がします。このまま春になればいいのですが。

先日、見知らぬ山形の若い建築家から突然メールが届きました。
以前見かけた建物の設計者が、私だとネットで偶然知ったので、
とあり感想を送ってくれたのです。嬉しいのでここでご紹介します。

「以前双葉公園周辺を散歩していた際、中庭のある集合住宅を
発見しました。その時にはほんと、名もない名建築を発見したと
思って集合住宅を散策しました。(中略)あの建物を発見したとき
には本当に興奮したんです。あぁ・美しいな、とうれしくなりました」

メールをくれた I さん、ありがとうございました。励まされます。

中庭のある集合住宅_c0097137_11271653.jpg次の日、久しぶりに行って撮ってきました。6年経ちましたので多少汚れてはいるものの、いい味わいをだしています。中庭の木々もずいぶん成長しています。



名建築なんておこがましいですが、思いが込められていることは
確かです。木製の玄関ドアのデザインをオーナーと相談して夫々
変えたり、外壁の塗り材を左官屋さんと共に工夫したりしました。
また当時の芸工大生に鉄や陶器で手すりを造ってもらいました。

私の設計というより、工事に携わった人たちの熱い思いが建物に
込められていて、時間を経ても見る人に、何かを感じてもらえるの
だと思います。痕跡を残しながら造り続けることは、手が抜けない
ことでもあって、責任の重さや厳しさを感じます。
by cosyoken | 2010-02-22 12:12 | 建築