建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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希望

四月に入り、例年なら新社会人や新入生が希望を胸に秘め初々
しく街を歩くのを、ほほえましく見ていたものです。

今年は、その希望という言葉が、重く厳粛に響きます。大震災の
被害にあわれ家も家族も仕事もすべてを失った人たちが、希望
だけを失わずに立ち上がろうとしているのを見るからです。

壊滅状態の被災地で「かならず復興してみせる」「二年待ってく
れ、またうまい牡蠣を食わせるから」。これらの言葉に私はただ
うなずくしかありません。

被災者の人たちの希望をささえようと、世界中から支援の手が
さしのべられています。また多くの人たちがメッセージをつたえ
ようとしています。

kizuna311渡辺謙「雨ニモマケズ」朗読

たんたんと読まれる詩の、なんと力強いことか。宮沢賢治の
「雨ニモマケズ」の精神が、新しくよみがえる不思議。

一滴のしずくのように沁みこむ言葉は、311以前には何の役
にもたたないと思われていたかもしれません。でも今は違う。
みんなの絆が、信じられる気がするのです。
by cosyoken | 2011-04-07 11:55 | つれづれに