建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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魔法つかい

魔法つかい_c0097137_826131.jpg旧暦の五月にいっせいに咲く
ところから名づけられたサツキ、
その名の通り今を盛りに咲い
ています。
青空に爽やかな風がそよぎ
若葉が水をすいながら青みを
増していく今朝の公園です。


建築現場では多くの職人さんが働きます。それも木工事、塗装、左官、
設備と多種にわたります。かれらに指示を出しまとめるのが現場監督
さんの仕事です。今回は現場での仕事ぶりについて。

長年の付き合いのある建設会社の現場監督さんは「うちの職人は魔法
つかいだ」とよく口にします。無理なようなことでも、すぐに実現してくれ
るからです。

大工の棟梁は「クギとノコギリが使えるなら何でもできる」と言うし、鉄
工所の社長は「溶接が使えるなら何でもできる」と言います。実際かれ
らにまかせると、あっというまに形にしてしまうのです。高い技術をもち、
信頼関係があるからこそ、そうしたことができるのです。

この監督さんはどの業種にも、そうした人たちをつかんでいます。黙々
とひたすら壁を塗る塗装職人、モルタルを自在に操る左官職人、緻密
に格子を組む建具職人、みんなプロ意識の高い人ばかりです。

私は図面を書くのが仕事ですが、それが絵に描いた餅にならないの
はかれらのおかげです。また図面を書いても現場でいざ造ってみると、
微妙に違う場合がたまにあります。そんなときは現場監督さんがいい
対応でフォローしてくれます。

職人さん、監督さん、それに私がそれぞれの職種で責任をまっとうす
ることで、はじめて施主に喜んでもらえる建物が完成します。いい建物
を造ろうという共通の目標をもつ、プロ同士の連帯感はいいものです。
それに「横山さんの設計だから」なんて聞くと、ちょっと泣けるのです。
by cosyoken | 2011-06-03 11:55 | 建築