建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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無理難題

このところのゲリラ豪雨は凄いですね。昼過ぎになるとにわかに
空かき曇り、大粒の雨が降りはじめ、やがて土砂降りになります。
夏の夕立でしょうか、ちょっと激しすぎます。

月曜日に昼のNHKテレビを見ていたら、村井秀清という作曲家が
出ていて曲を依頼される時の注文が無理難題に思えたという話を
していました。NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」のテーマ
曲を依頼された時に担当者から言われたことが、これ。

「熱い魂を感じさせながら、クールでスタイリッシュ」

熱いんだか寒いんだか分らなくなって頭に中が煮詰まって・・・と
いう彼の言葉に少し笑えました。何回かの直しを経て完成した曲
が放映されていて、さすがに熱くクールな曲で感心しました。

住宅の設計を依頼される時にも、似たような思いをすることがあり
ます。狭くてもいいけれど狭さを感じさせないように。光がどこから
でも入り、風が通り抜けるように。こうした場合は、狭くとも視線が
抜けるようにとか、小窓をいくつもつけて光や風を呼び込んだりと
工夫しますが、機能や動線それにその他のご要望が複雑な方程
式のようにからみあって、難儀することもあります。

それでも難問をねじ伏せるように力技で一つまとめると、後はそれ
らから解放されるように自由なプランが出てくるから不思議です。
そうしてできたいくつものプランの中から、よりベストと思えるもの
を2~3案にしぼりご提案しています。

無理難題、いいのです。建て主は一番エライのですから、自由に
思いつくまま夢を言っていいのです。遠慮なんかいりません。なん
とか実現するようにと、頑張ってプランを考えるのです。

それでもせめてご夫婦の意見は合わせてくださいね。間に入って
調整するなんて、できない相談ですから。
by cosyoken | 2011-07-29 16:55 | 建築