建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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光、ノスタルジア

山形の街をアカデミックな雰囲気にしていた、山形国際ドキュメンタリー
映画祭が先週の木曜日で閉幕しました。

その最終日に、コンペティションで山形市長賞と最優秀賞を受賞した
「光、ノスタルジア」を観てきました。

光、ノスタルジア_c0097137_1437509.jpgこれが、その映画のポスターです。
世界中の天文学者が集まるチリ・
アタカマ砂漠。
そこで遠い宇宙を研究している
天文学者、砂漠で遺跡を発掘す
る考古学者、そして20年前の軍
事政権で犠牲者になった人たち
の遺骨を探す遺族が映し出され
ます。
美しい星座の映像、古代に刻み
こまれた絵、見つけられた遺骨。

天文学者は、電波望遠鏡でカルシウムが遠い星から発信されてい
ることを示し、ビックバンの時点でカルシウムが形成したと言います。
砂の中から見つけられた人骨の成分も、またカルシウムです。

それぞれが別々のように映し出されるのですが、共通するのは、人
はどこから来て、どこに行くのか。

天文学者は宇宙の起源という過去を、考古学者は古代の人間の営
みを、それぞれ研究することで現在と未来を考えます。
遺族は遺骨を捜すことで、過去で止まった時間を進めようとします。

かなり重いテーマですが、美しく輝く星座の映像が救いになってい
ました。人も星もカルシウムで出来ているなら、本当に人は星になれ
るのかもしれないな、と思ったりしたのです。
by cosyoken | 2011-10-17 16:40 | つれづれに