光、ノスタルジア
2011年 10月 17日
映画祭が先週の木曜日で閉幕しました。
その最終日に、コンペティションで山形市長賞と最優秀賞を受賞した
「光、ノスタルジア」を観てきました。

世界中の天文学者が集まるチリ・
アタカマ砂漠。
そこで遠い宇宙を研究している
天文学者、砂漠で遺跡を発掘す
る考古学者、そして20年前の軍
事政権で犠牲者になった人たち
の遺骨を探す遺族が映し出され
ます。
美しい星座の映像、古代に刻み
こまれた絵、見つけられた遺骨。
天文学者は、電波望遠鏡でカルシウムが遠い星から発信されてい
ることを示し、ビックバンの時点でカルシウムが形成したと言います。
砂の中から見つけられた人骨の成分も、またカルシウムです。
それぞれが別々のように映し出されるのですが、共通するのは、人
はどこから来て、どこに行くのか。
天文学者は宇宙の起源という過去を、考古学者は古代の人間の営
みを、それぞれ研究することで現在と未来を考えます。
遺族は遺骨を捜すことで、過去で止まった時間を進めようとします。
かなり重いテーマですが、美しく輝く星座の映像が救いになってい
ました。人も星もカルシウムで出来ているなら、本当に人は星になれ
るのかもしれないな、と思ったりしたのです。