建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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吉村順三

吉村順三_c0097137_9213692.jpg萌黄色だった山の新緑も
青さを増して深緑になって
きました。今週の火曜日、
長井市に行く途中の小滝
街道から撮りました。
遠くの残雪が光る山並み
は朝日連峰です。


私の事務所に住宅の設計を依頼される方は、家づくりに熱心に取
り組まれている人ばかりです。この日に初めてお会いした方も多く
の建築の本を読まれていました。私がお好きなインテリアはありま
すか、とお尋ねすると「間取りがよい小住宅を作りたい」という本を
見せてくださり、その中でも益子義弘の建てた家、そして益子さん
の恩師の吉村順三の軽井沢の山荘が気に入っていると。

私は思わずうなってしまいました。住宅の名手と言われている吉村
順三とその門下生の設計を、写真と図面だけで理解されているとは。
それらの住宅は一見普通の家なので、その良さが分りづらいのです。

吉村順三は多くの建築家に影響を与えました。宮脇壇、中村好文、
永田昌民、住宅を主にしている建築家たち。吉村さんは派手なデザ
インを好まず、さりげなく心地よい豊かな空間をつくり続けました。
それらの家は時間とともに味わいを深めています。

いくつかの作法があります。
・流行を追わない  年月を経てもあきがこないデザイン
・本物の素材    プリント合板よりシナベニヤ
・手わざの温もり  職人の手で造られるものの優しさ

これらの作法とその奥に人間に対するあたたかな眼差しがあるから
こそ、住み心地の良さと安らぎのある家ができたのだと思います。

吉村順三が好きだと言う人から翌日電話があって、プランをつくって
ほしいとのこと。なんだかレベルが高いなぁ・・・

「間取りがよい小住宅を作りたい」はいい本です。早速アマゾンで
中古本を注文しました。別冊家庭画報―特選HOME IDEASです。
その他にも私のお勧めは「建築家が建てた50の幸福な家」(エク
スナレッジ)この本はOT邸のOさんから紹介されました。また芸術
新潮2007・7特集「正直な家」、この本について以前コラムに書き
ました。よろしければクリックしてご覧ください。
  
by cosyoken | 2012-05-25 12:20 | 建築