蝉の鳴き声が心なしか小さくなり、夕暮に虫の音が聞こえるようになり
ました。暑かった夏がようやく終わり、初秋になっていくようです。
今回は天井の高さについて。建物全体の高さには法律で制限があります。
敷地の用途によっては、北側斜線といって北側の隣地への日射を確保す
るため、立上がりと勾配が決まっています。道路斜線や隣地斜線という
のもあります。住宅地であるほど制限が厳しくなるので、建物の高さや
各階の天井高さを慎重に検討することになります。
一般的な居室の天井高さは2.4mです。法律では2.1m以上と定められて
います。この天井高さは人間の心理に影響を及ぼします。低いと安心や
落ち着きをもたらすといわれています。人には胎内回帰願望というのが
設計ではそれを意識しました。逆に高い天井は伸びやかな開放的な感じ
を与えるといいます。
庄内町T邸では勾配天井にして、開放感とともに
高い場所にある小さな窓から射しこむ光の効果をねらっています。
私の設計では、施主の方の感覚や好みや心理的な効果を考えて、居心地
の良い魅力ある空間づくりを心掛けています。
下の写真は私の事務所内部で、天井高さは2.3mにしています。