木々の葉が色づきはじめ、秋の風情になってきました。いつもの年なら
秋空の下、河原で芋煮会をしたものです。夕暮れになると枯れ枝を拾い
集めて焚火をして、酒を呑み語りあいました。のどかなひとときでした。
さて今回は間取りについて書いてみます。家づくりの基本は間取りです。
居心地の良さ、家族間のコミュニケーション、ストレスのない家事動線。
そうしたことが間取りに盛り込まれ、その上で断熱性などの性能が付加
されて満足度が高い家が完成します。
私の事務所では間取りにかかる前に、事務所でつくっている「住宅計画
調書」をお渡しして、要望や希望それにデザインの好みなどを、家族間
の共通意見として書いてもらいます。それを見せてもらいながら2時間
ほどお話をお聞きします。
次に敷地をみせてもらい、周囲の状況を、将来を見越して検討します。
南に家が建っている場合、日影図といって冬至に何時間陽が射すのかを
図面にして計算します。あまりに状況が厳しい場合は、リビングの上に
吹き抜けや、中庭、2階にリビングなどをご提案します。
ここから間取りつくりの開始です。私の場合は3週間の期間が必要です。
1週目は要望や希望をすべて取り入れ、そしてそれを超えるために試行
錯誤します。無理かなと途中思うこともありますが、知恵を絞れば出来
るものです。
そうした案が1つできれば、2週目は自由になって2案3案と出来てき
ます。そして3週目で最初の案を見直したりして、多くの案からベスト
と思う案を2~3案にまとめ、それぞれにデザインの好みなどにそった
室内のイメージスケッチも用意して、ご提案します。
その後は施主さんに検討していただき、例えばA案のままに決まったり、
AとBのいいところを組み合わせた間取りをつくったり、新たな案をつ
くったりしながら、最終形に近づいていきます。間取りが決まれば模型
をお見せして、納得していただければ基本設計が完了になります。
その期間は2カ月の場合もあれば半年1年かかる時もあります。30年
40年そこで暮らすことを考えれば、必要な期間だと考えます。