建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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THE TOKYO TOILET

先週は久々に明るいニュースがありました。カンヌ映画祭で役所広司さんが
男優賞、是枝監督の「怪物」で坂元裕二さんが脚本賞を受賞したことです。

役所さんがトイレの清掃員の役を演じた映画「パーフェクトデイズ」の予告
を見ると、いくつもの質の高い公共トイレが出てきます。以前から建築雑誌
にこれらは掲載されていましたが、この公共トイレ改修プロジェクトに関連
して映画がつくられたことを知って驚きました。

渋谷区で「トイレは日本が誇るおもてなしの象徴」というコンセプトで17
の公共トイレの建て替えという企画が、渋谷区と日本財団で生まれました。
その意図のもと、著名な建築家とデザイナーに依頼し、今年3月に完成して
います。建築家は安藤忠雄、隈研吾、といった日本を代表する方々です。

工事が進む中、「公共トイレを長くきれいに保つには文化的、芸術的価値を
与えて社会の意識を変える必要がある」と、ドイツのビム・ベンダース監督
に「改修したトイレを見て、インスピレーションを受けたら写真でも短編で
も作ってくれないか」ともちかけ、来日して現地を見た監督は長編映画を撮
りたいと言って、この映画が誕生したという。

公共トイレという極小な建物に、建築家たちが総力を注ぎこみ、それに刺激
をうけた映画監督や俳優たちが、また優れた作品をつくり世界で表彰された。 
企画を立ち上げた思いが、建築そして映画へとつながり評価された。凄い!     

これは代官山の街並みを造った槇文彦さんが設計した公共トイレです。

THE TOKYO TOILET_c0097137_14482248.jpg



by cosyoken | 2023-05-31 08:50 | つれづれに