静かな木
2007年 01月 30日
少しほっとした気分になりたくて、このところ
藤沢周平の本を読み返しています。
題名は「静かな木」です。
晩年の作品で、かれの心境をかさねているようです。
物語の舞台はあの海坂藩。モデルは山形の鶴岡です。
隠居し老年の死を意識している主人公の武士が、
落葉して裸になった境内のけやきの大木を見ての一節。
その木に残る夕映えがさしかけていた。
遠い西空からとどくかすかな赤味をとどめて、
欅は静かに立っていた。
・・・あのような最後を迎えられればいい。
ふと、孫左衛門はそう思った。
このシーンからはじまり、息子がかつての上司の息子と果し合いをすることになったため、それを阻止しようと、過去に自分にぬれぎぬを着せた上司の陰謀を、公にしようとする展開です。
それが実り、かつての上司は失脚し、息子は助かり、
また息子に子が、つまり孫ができた喜びで終わる。
青葉に覆われた老木は、春の日を浴びて
静かに立っている。
・・・これも、わるくない。
(中略)
・・・生きていれば、よいこともある。
孫左衛門はごく平凡なことを思った。
しみじみとしますね。人生のせつなさと生きることの喜び。
でも抜粋の文章では、わからないと思いますので、
ぜひ読んでみることをお勧めします。
生きていれば・・・・・そう生きてさえいれば、きっと
いいこともあるにちがいない、そう思わなくちゃね。
藤沢周平の本を読み返しています。
題名は「静かな木」です。
晩年の作品で、かれの心境をかさねているようです。
物語の舞台はあの海坂藩。モデルは山形の鶴岡です。
隠居し老年の死を意識している主人公の武士が、
落葉して裸になった境内のけやきの大木を見ての一節。
その木に残る夕映えがさしかけていた。
遠い西空からとどくかすかな赤味をとどめて、
欅は静かに立っていた。
・・・あのような最後を迎えられればいい。
ふと、孫左衛門はそう思った。
このシーンからはじまり、息子がかつての上司の息子と果し合いをすることになったため、それを阻止しようと、過去に自分にぬれぎぬを着せた上司の陰謀を、公にしようとする展開です。
それが実り、かつての上司は失脚し、息子は助かり、
また息子に子が、つまり孫ができた喜びで終わる。
青葉に覆われた老木は、春の日を浴びて
静かに立っている。
・・・これも、わるくない。
(中略)
・・・生きていれば、よいこともある。
孫左衛門はごく平凡なことを思った。
しみじみとしますね。人生のせつなさと生きることの喜び。
でも抜粋の文章では、わからないと思いますので、
ぜひ読んでみることをお勧めします。
生きていれば・・・・・そう生きてさえいれば、きっと
いいこともあるにちがいない、そう思わなくちゃね。
by cosyoken
| 2007-01-30 17:30
| つれづれに