建築家の日々のエッセー


by cosyoken
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縄文

高校野球が始まりました。ひたむきなプレーが胸を打ちますね。
さて、先日行った青森への旅の続きです。青森県立美術館からシャ
トルバスで5分のところに縄文集落遺跡の三内丸山があります。

以前から興味があったのですが、これだけを見にというほどでもなく、
美術館のついでだったのですが、実際見てふれると、たちまち縄文
の造形や生活に魅了されてしまいました。

縄文_c0097137_11502981.jpgこれが復元された大型掘立柱建物です。この迫力に圧倒されます。直径1m高さ16mのクリの大木が6本、そそり立っています。巨木の柱と梁が太いツルで組まれ三層になっていて、そのダイナミックな造形は強烈なエネルギーを発しています。建築の根源にふれた感動がありました。




ここは運動公園になるはずだったのが、この柱の穴が発掘された
ことで急きょここを発掘保存することになったのです。この他にも
多くの竪穴住居が復元され集落を形成していました。

縄文_c0097137_11513871.jpgどれも茅葺屋根の形がふくよかで優しい印象です。原始的なだけに、家づくりの本質を示しているように思います。地場に根ざし風景に同化している姿は、力強さとともに謙虚さを感じます。

縄文人は戦をしなかったといいます。自然からの恵みだけの
生活で、つつましく暮らしていることに不満がなければ、なにも
争いなんかしなくてもすむのです。

こうした生活が一万年続いたのです。なんと幸せな時代だった
のだろう。かれらの造形が大らかで温かいのは、この時代ゆえ
だと思います。

弥生時代から、争い傷ついた人骨が大量に発掘されるように
なったといいます。それが現代に続いているわけです。それも
ここ100年の間に核という武器まで発明して。戦のみならず
環境破壊の結果、異常気象まで引き起こしてしまって。

縄文は私たちに、幸福とは何かということを問いかけている。
「便利で豊かな生活らしいけど、それで幸せかい?」ってね。
by cosyoken | 2008-03-24 10:50 | 建築